空き家対策特別措置法
Act on Special Measures concerning Vacant Houses
管理が不十分な空家等が地域の生活環境に影響を及ぼしていることを背景に、空家等の対策と活用を定めた法律。正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」。
詳細
概要
空き家対策特別措置法(空家対策特措法)の正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。法律の目的は、管理が不十分な空家等が地域の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることを踏まえ、住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用促進を図ることとされています。
制度の要点
e-Gov法令検索で確認できる条文の要点は次のとおりです。
- 空家等: 居住その他の使用がされていないことが常態となっている建築物(附属工作物を含む)とその敷地。国や地方公共団体が所有・管理するものは除かれます。
- 特定空家等: 放置すると倒壊などの保安上の危険や衛生上の有害が生じるおそれがある状態、景観を著しく損なう状態などにあり、周辺の生活環境のために放置が不適切と認められる空家等。
- 管理不全空家等: 適切な管理が行われず、そのまま放置すると特定空家等に該当するおそれがある空家等(第13条第1項)。
- 基本指針: 国土交通大臣と総務大臣が定めます(第6条)。
- 空家等活用促進区域: 市町村が空家等対策計画に任意で定める区域で、中心市街地などで空家等と跡地の活用を進めるためのものです(第7条)。
- 措置の段階: 市町村長は、所有者等に対して助言・指導を行い、改善がなければ勧告、正当な理由なく従わなければ命令ができ、命令が履行されない場合は行政代執行によることもあります(第22条)。命令に違反した場合は50万円以下の過料が科されます(第30条)。
市場・産業での位置づけ
空き家の所有者にとっては、放置したまま特定空家等と判断されるリスクへの理解が必要になります。空き家の管理、売却、活用を扱う事業者は、この法律の内容を所有者に伝えることが事業の入り口になっています。ポルティの調査では、長野県の空き家オーナー250人のうち、法律の名称を「全く知らない」が42.8%、「名前だけ聞いたことがある」が39.6%でした。L&Fは、法律が完全施行された5月26日を「空き家の将来を考える日」と定めています。
スタートアップの取り組み
- ポルティは、空き家を売買できるフリマサービス「ポルティ空き家バンク」を運営し、長野県の空き家オーナーに法律の認知度を尋ねた調査を公表しています(発表、2025年4月)。
- 株式会社L&Fは、空き家管理の全国ネットワーク「日本空き家サポート」を運営し、過去10年以内に空き家を売却した350人への意識調査を公表しています。改正法を詳しく知る人は15.7%、なんとなく知っている人を含めると76.8%でした(発表、2026年5月)。
いずれも各社が自社で実施した調査です。