ARグラス

AR glasses (AR)

現実の景色にデジタル情報を重ねて表示する、メガネ型のデバイス。透明なレンズ越しに現実を見ながら情報を見られるため、両手を使う作業の支援や遠隔支援、日常使いの端末として開発が進んでいる。

詳細

概要

ARグラスは、拡張現実(AR)の表示機能を備えたメガネ型のデバイスです。レンズ越しに現実の景色を見ながら、その上に文字や画像などの情報を重ねて表示します。視界の中で情報を確認できるため、産業分野では作業支援や遠隔支援に、一般向けにはメガネ店での販売に向けた開発が進んでいます。

仕組み・要点

下で紹介する各社の発表では、ARグラスは主に次の要素で構成されています。

  • ディスプレイ: 小型のプロジェクターの光を、レンズに組み込んだ「ウェイブガイド」で導いて目に届ける方式です。Cellid の発表では、光学シースルーのウェイブガイド(DOE 方式)で、一般的なメガネレンズと同等の薄さと軽さを実現したとしています。
  • 空間認識: 内蔵のカメラやセンサーで周囲の空間と自分の位置を把握し、表示する情報を現実の物に合わせます。Cellid のリファレンスデザインには、8メガピクセル・視野角84度のカメラと3軸の IMU(慣性計測装置)が載っています。
  • ソフトウェア: 物体認識、ARマーカーを使ったコンテンツの位置合わせ、生成AIのAPIなどを開発キット(SDK)として提供する例があります。

用途と位置づけ

産業用では、製造、建設、医療、物流などでの作業支援、遠隔支援、顧客サポートが挙げられています。建設機械や鉱山の現場では、ヘルメットに装着でき、IP65相当の防水・防じん性能を備えたスマートグラスを使い、サービス員の映像をオフィスの熟練者と共有して助言を受ける用途が発表されています。従来の XR 対応スマートグラスは屋内での使用が一般的でした。一方、一般消費者向けには、メガネ販売店の店舗網で販売する取り組みも始まっています。

スタートアップの取り組み

  • 株式会社Cellidは、ARグラス向けのウェイブガイドディスプレイと空間認識エンジンを開発しています。2024年11月には重さ約58gのメガネ型ARグラスのリファレンスデザインを発表し(発表、2024年11月)、2026年9月にはメガネトップと製品化・市場展開で協業を始めました。開発は Cellid、商品開発と販売はメガネトップが担い、2026年10月23日にクラウドファンディングで先行予約を始め、その後「眼鏡市場」などで販売する計画です(発表、2026年9月)。
  • HMS株式会社は、産業用のARグラス「SiNGRAY G2」を2025年6月に公開しました(発表、2025年6月)。また、日立建機と共同で、建設・鉱山現場向けに耐久性を高めたXR対応スマートグラスを開発しています(発表、2025年3月)。

一次情報