生殖補助医療(ART)
Assisted reproductive technology (ART)
生殖補助医療(ART)は、体外受精・顕微授精など、採卵から受精、胚の培養・移植までを行う不妊治療。日本では2022年4月から保険適用となり、国内の実施施設の成績は学会が集計している。
詳細
概要
生殖補助医療(ART)は、不妊治療のうち、採卵・採精から、体外受精・顕微授精、受精卵・胚の培養、胚凍結保存、胚移植までの治療を指します。厚生労働省のリーフレットは、タイミング法・人工授精を「一般不妊治療」、採卵・採精から胚移植までを「生殖補助医療」と分けて示しています。
仕組み・要点
- 治療の流れ: 採卵・採精、体外受精または顕微授精、受精卵・胚培養、胚凍結保存、胚移植。
- 保険適用: 令和4年(2022年)4月から、体外受精などの基本治療は保険適用されています。窓口負担は治療費の3割で、高額な場合は高額療養費制度の月額上限があります。
- 要件: 治療開始時に女性の年齢が43歳未満であること。回数は、初めての治療開始時の年齢が40歳未満で通算6回まで、40歳以上43歳未満で通算3回まで(いずれも1子ごと)です。
- 追加の治療(オプション)は、保険適用されるものと、先進医療として保険と併用できるものがあります。
市場・制度での位置づけ
日本産科婦人科学会は、2007年から国内のART実施施設すべてからインターネットで収集したデータを集計し、「ARTデータブック」として公開しています。アークスの発表は、2022年には日本で生まれた子どもの約10人に1人がこの医療によって誕生したとしています。また、治療を支える胚培養士の人手不足と、地域による治療機会の差を課題に挙げています。
スタートアップの取り組み
- アークス(別の収録あり)は、生殖補助医療の自動化を目指し、AIとロボット技術を組み合わせて治療の質と成功率の向上を図っています。プレシリーズAラウンドを合計約8.0億円でクローズし、助成金や融資を含む累計調達額は約12.3億円です(発表、2025年5月)。
- 株式会社Dioseveは、iPS細胞から卵子様の細胞を作る「DIOLs(Directly Induced Oocyte-like cells)」を基に、卵子が原因の不妊への治療法を開発しています。この技術は国際学術誌Natureに掲載されたとしています。シリーズAで総額10億円を調達し、累計調達額は約14.2億円です(発表、2024年6月)。