事業譲受

Business transfer (acquisition)

他の会社の事業の全部または一部を、契約によって譲り受けること。会社を丸ごと買う株式取得と異なり、取得する資産・事業を選べる。会社法には株主総会の承認が必要となる場合が定められている。

詳細

概要

事業譲受は、他の会社が営む事業を契約によって譲り受ける取引です。譲り受ける側から見た言い方で、譲る側から見ると事業譲渡になります。株式を取得して会社ごと買う方法とは異なり、事業に必要な資産や契約、ブランドなど、取引の対象を当事者の合意で絞り込めます。スタートアップや上場企業が、店舗やブランドを取り込んで事業を広げる手段として使われます。

会社法上の要点

会社法第467条は、株式会社が次のような行為をする場合、効力発生日の前日までに株主総会の決議で契約の承認を受けるべきことを定めています。

  • 事業の全部の譲渡
  • 事業の重要な一部の譲渡(譲渡する資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超えるもの。定款でこの割合を下げることも可能)
  • 他の会社の事業の全部の譲受け

事業の一部だけを譲り受ける場合は、この条文の承認対象に当たらない場合があります。譲る側については、会社法第21条が、当事者間に別段の合意がない限り、譲渡の日から20年間、同一の市町村と隣接する市町村の区域内で同一の事業を行ってはならないと定めています(特約を結ぶ場合の期間は30年以内)。

発表の読み方

事業譲受の発表では、対象事業、実行日、対価、資本提携の有無が焦点になります。基本合意書の段階では最終契約や実行時期が決まっておらず、対価などの条件が公表されないことも多くあります。

スタートアップの取り組み

  • フィットクルー: 東証グロース上場の同社は、VALX株式会社が運営する24時間型ジム「VALX GYM」5店舗(武蔵小山、溝の口、調布、錦糸町、福岡天神)の事業譲受と資本業務提携に関する基本合意書を締結しました。店舗ポートフォリオの多角化による収益基盤の強化などを目的に挙げており、譲受対価や実行日は発表に記載されていません(発表、2026年10月)。
  • リバースラボ: 株式会社Reternalからヘアケアブランド「Neffy」の事業を譲り受け、2022年3月1日に完了して運営と販売を始めました。譲受金額は記載されていません(発表、2022年3月)。

一次情報