介護DX

Care DX

介護現場にICTやロボット、データ連携を取り入れ、記録や事務の負担を減らして生産性を高める取り組み。ケアプランデータ連携システムの普及など、厚生労働省の施策が進められている。

詳細

概要

介護DXは、介護事業所の業務にデジタル技術を取り入れ、事務や記録の負担を減らし、利用者の支援にかける時間を増やす取り組みです。厚生労働省は、介護現場の生産性向上を進める施策として、ICTや介護ロボットの導入支援、ケアプランデータ連携システムの普及などを進めています。

仕組み・要点

代表例が「ケアプランデータ連携システム」です。国民健康保険中央会の資料によると、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で、居宅サービス計画書(第1表、第2表)やサービス提供票(第6表、第7表)を紙やFAXではなく、標準仕様に基づくデータでやり取りする仕組みです。介護ソフトが異なっても同じ方法でデータを送受信でき、転記や再入力、記載ミスの削減が期待されています。同資料は、全国平均の見込みとして、人件費削減を考慮した場合で年間約81万6千円の削減という試算例も示しています(削減額を確約するものではないとされています)。

制度・産業での位置づけ

厚生労働省の研修資料(2025年)は、生産性向上の取り組みが幅広く普及しているとは言えないとして、補正予算を含む財政支援、介護報酬改定での評価、人員配置基準の柔軟化、明確なKPIによるPDCAを挙げています。KPIには、ケアプランデータ連携システム普及自治体の割合や、ICT・介護ロボット等の導入事業者割合(2023年は29%、2026年に50%、2029年に90%)などが設定されています。都道府県による導入支援や、ケアプランデータ連携の活用促進モデル地域づくり事業も示されています。

スタートアップの取り組み

  • ウェルモは医療介護領域のAIプロダクト「ミルモシリーズ」を展開し、コマースフォースと資本業務提携を始めました(発表、2026年4月)。
  • Z-Worksは介護・見守りのIoTソリューションを提供し、第三者割当増資とベンチャーデットで総額7億円を調達しました(発表、2025年10月)。
  • ビーブリッドは介護・福祉事業所のICT活用を支える伴走支援「ほむさぽ」を提供し、エクステンションラウンドの資金調達を完了しました(発表、2026年3月)。
  • 善光総合研究所は、江戸川区でケアプランデータ連携システムの導入率62%を達成したと発表しました(発表、2026年4月)。
  • EMC Healthcareは介護施設向けDX「OwlCare」を提供し、スーパー・コートが25施設に導入します(発表、2026年5月)。
  • MUSVIはテレプレゼンスシステム「窓」を開発し、長崎・新上五島町で介護DXの本実証が始まりました(発表、2025年12月)。

一次情報