デジタルバイオマーカー

Digital biomarker (dBM)

臨床的な評価を目的に、デジタルデバイスで客観的・定量的に集めた生体データ。ウェアラブル端末で測った心拍や睡眠などから、病気の有無や治療による変化を示す指標をつくる。

詳細

概要

デジタルバイオマーカー(dBM)は、臨床的な評価を目的に、各種のデジタルデバイスで客観的・定量的に収集・測定した生体データを指します。医薬品医療機器総合機構(PMDA)に掲載された資料は、dBM の活用により、これまで受診が必須だった診断や臨床評価を場所や時間を問わず行えるようになること、患者の主観に頼らざるを得なかった指標を客観的・定量的に測れるようになることが期待されていると説明しています。

仕組み・要点

腕時計型のデバイスやスマートウォッチなどで、心拍、睡眠、活動量といったデータを日常生活の中で連続して測り、そこから評価の指標をつくります。同資料は、dBM を臨床試験の評価項目に使う場合、次の点が課題になるとしています。

  • 活用の意義と目的を明確にし、戦略を立てる。
  • ベリフィケーションとバリデーションを通じて、信頼性、妥当性、反応性を担保する。
  • 指標を新しく開発する場合、既存の dBM を使う場合、既存の評価対象を dBM 化する場合、主要評価項目か副次・探索的評価項目かで、求められる要件が異なる。

同資料は、日本での dBM の活用事例はまだ限られているとも述べています。

活用の例

テックドクターは第22回日本うつ病学会総会(2025年7月)で、双極性障害の探索研究を発表しました。対象は40代男性1名で、Fitbit の心拍・睡眠・活動量と、症状記録アプリへの毎日の自己評価を分析し、睡眠中の心拍変動(RMSSD)が異常に低い日14日のうち12日で、1週間以内に抑うつ気分の自己評価が上がっていたとしています。1名の探索的な検討であり、予測能力が確立されたわけではないと同社も限界を示しています。

スタートアップの取り組み

  • 株式会社テックドクターは、デジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase」を提供しています。100件を超える企業・研究機関との研究を通じて、さまざまな疾患領域や QOL の指標を開発してきたとしています。2025年5月にシリーズBで約12億円を調達し、累計の調達額は約18億円になりました(発表、2025年5月)。うつ病学会での発表も行っています(発表、2025年7月)。
  • ACCELStarsは、腕時計型デバイスによる睡眠測定アルゴリズムを持ち、睡眠健康度測定サービス「SLEEP COMPASS」を提供しています。中枢神経の dBM を使った医薬品・医療機器などの開発支援も始めています(発表、2024年11月)。

一次情報