金融サービス仲介業

Financial service intermediary

1つの登録で銀行・証券・保険・貸金の各分野の金融サービスを仲介できる業態。2020年の法改正で創設された。特定の金融機関への所属を求めない代わりに、利用者財産の受入禁止や保証金の供託などで利用者を保護する。

詳細

概要

金融サービス仲介業は、利用者と金融機関の間に立って、預金・保険・有価証券・貸付といった金融サービスを仲介する事業です。従来の仲介業は、銀行代理業、金融商品仲介業、保険募集人のように業態ごとに縦割りで、銀行・証券・保険のすべてをワンストップで提供する仲介業者は、金融庁の国会説明資料によると2019年12月末時点で5者のみでした。この状況を変えるため、2020年に金融商品販売法を「金融サービスの提供に関する法律」に改称し、金融サービス仲介業が創設されました。

仕組み・要点

金融庁の監督指針は、1つの登録で銀行業、金融商品取引業、保険業、貸金業のすべての分野の金融サービスを仲介できると説明しています。特定の金融機関への所属を求めずに、複数の金融機関と連携しやすい業種として位置づけられています。

所属を求めない代わりに、利用者保護のための規制が置かれています。国会説明資料では、取扱可能なサービスの制限、利用者財産(サービスの購入代金など)の受入禁止、保証金の供託が主な規制として挙げられています。仲介の対象は、高度な説明を要しないと考えられるサービスに限られます。そのほかの規制は、取り扱う分野に応じて必要なものが過不足なく適用される設計です。

監督指針は、共通事項に加えて、預金等媒介業務、保険媒介業務、有価証券等仲介業務、貸金業貸付媒介業務ごとの追加事項を定めています。個人で業務を行う場合や、内部監査部門を置きにくい小規模な事業者もあることを踏まえ、評価項目を一律に求めるものではないとされています。さらに、業者が設立した一般社団法人を内閣総理大臣が認定する「認定金融サービス仲介業協会」の制度があります。

市場・制度での位置づけ

複数業種・多数の金融機関の商品をワンストップで提供し、顧客の多様なニーズに横断的に応える役割が期待されています。比較推奨販売の適正化をめぐっては、乗合代理店向けの改正に合わせて「金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針」も改正対象とされています。

スタートアップの取り組み

iYellは、2026年6月に金融サービス仲介業者としての登録を完了したと発表しました。預金等媒介業務と貸金業貸付媒介業務の登録業者で、金融機関の委託を受けずに中立的に媒介する企業としては日本初と説明しています(発表、2026年6月)。幅広い金融機関の住宅ローンから顧客に合うものを媒介し、住宅事業者に代わってローンの提案業務も担う方針です。同社は住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」も提供しています。

Habittoは、東京都渋谷区に本社を置く金融サービス仲介業者で、貯蓄口座やデビットカード、マネープラン相談を提供する「貯蓄の窓口 by Habitto」を運営しています。2021年11月に創業し、2024年11月にシリーズAで18億円を発表しました。

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