グリーン水素
Green hydrogen
再生可能エネルギー由来の電気で水を電気分解してつくる水素。製造時のCO2排出を抑えられる水素として、日本では水素基本戦略のもとで水電解装置の導入目標などが掲げられている。
詳細
概要
グリーン水素は、再生可能エネルギーでつくった電気を使い、水を電気分解(水電解)して得る水素です。水素は天然ガスや褐炭の改質のほか、再エネ由来の電気や化石燃料由来の電気を用いた水電解など、さまざまな原料と手法で製造できます。2023年6月に改定された日本の「水素基本戦略」は、そのなかで炭素の排出の少ない水素への移行を掲げています。
仕組み・要点
水電解装置に電気を流して水を水素と酸素に分けます。再エネ由来の電気を使えば、製造時のCO2排出を抑えられます。課題は、装置と電気のコストです。
- 装置の導入目標: 水素基本戦略(改定)は、世界の水電解装置の導入量が2030年に134GWに達する可能性があるとし、2030年までに国内外で日本関連企業(部素材メーカーを含む)の水電解装置を15GW程度導入する目標を新たに設定しました。
- 導入量の目標: 水素(アンモニアを含む)の導入量は、2030年に最大300万トン/年、2040年に1,200万トン/年程度、2050年に2,000万トン/年程度を掲げています。
- 供給コストの目標: 水素の供給コストは、2030年に30円/Nm3(約334円/kg)、2050年に20円/Nm3(約222円/kg)を目標としています。
- オンサイトでの利用: 工場などの脱炭素化では、現場に水電解システムを入れて水素をつくり、熱として使う方法が有効だと整理されています。
スタートアップの取り組み
- 株式会社pHydrogenは、東京大学発のスタートアップです。貴金属ではなく、卑金属と海水を主な材料とする海水電解システムでグリーン水素のコストを大幅に下げることを目指し、沿岸でのオンサイトの製造や、淡水が乏しい地域での大規模製造を想定しています。2025年6月にインキュベイトファンドなどからシードで3億円を調達しました(発表、2025年6月)。
- つばめBHB株式会社は、エレクトライド触媒を使い、低温・低圧でアンモニアをつくるオンサイトの小規模プラントを開発しています。2025年8月にはみずほ銀行と、アフリカでのグリーン水素・アンモニアの事業化に向けた覚書を結びました。小規模分散型のプラントで、現地の水、空気、再エネから肥料などを地産地消する構想です(発表、2025年8月)。