不妊治療の保険適用

Insurance coverage for fertility treatment

体外受精などの不妊治療が公的医療保険の対象となった制度。2022年4月から適用され、患者の経済的負担の軽減につながったとされる。

詳細

概要

不妊治療の保険適用は、体外受精などの生殖補助医療(ART)が公的医療保険の対象となった制度変更です。クリニックの発表では、2022年4月より体外受精が保険適用になったと説明されています。保険適用の対象となる治療の範囲や自己負担額、年齢・回数などの条件は、今回参照した資料には書かれていないため、ここでは取り上げません。詳しくは厚生労働省の最新の案内を確認してください。

要点

事業者の発表から確認できる影響は次のとおりです。

  • 経済的負担の軽減: Varinosが不妊治療に取り組む85人に行ったアンケートでは、保険適用範囲の拡大が「良い影響があった」と答えた人が約7割で、理由は「金銭的な負担が減った」が82.5%、「治療のステップアップがしやすくなった」が43.9%でした。
  • 受診時期: 回答者の約8割が、妊活開始から1年未満で不妊治療クリニックに通い始めていました。
  • 次に望む適用: 保険適用を望む治療・検査は、PGT-A(着床前ゲノム検査)が79.2%で最多でした。
  • 心理支援の重要性: 2024年の学会発表では、保険適用で経済的負担が軽減された一方、患者の属性が多様化し、意思決定支援や心理支援の重要性が高まったと報告されています。

なお、Varinosの調査は2022年10月〜2023年2月に同社の関連講座の参加者85人(設問により有効回答数が異なる)を対象としたもので、全体を代表する結果とは限りません。

産業での位置づけ

保険診療の対象となったことで、クリニックは保険診療の枠内での診療を提供する形になります。通院の予約、問診、決済をアプリで行い、待ち時間を減らす取組や、治療に伴う心理面の支援を整える取組が、クリニック側の工夫として発表されています。

スタートアップの取り組み

  • ARCHは、不妊治療専門クリニック「torch clinic(トーチクリニック)」のDX支援を行っています。2022年5月17日に開業した恵比寿のクリニックで、保険適用の不妊治療を提供し、専用アプリで予約、問診、診察、処方、決済を行って在院時間を減らす取組を発表しました(発表、2022年5月)。また、2024年2月の日本生殖心理学会で、ART保険適用化における心理介入の価値を発表しています(発表、2024年3月)。
  • Varinosは、遺伝学的検査の開発・臨床実装を行っています。保険適用範囲の拡大から1年の時点で行ったアンケート結果を公表しました(発表、2023年3月)。

一次情報