機械翻訳
Machine translation
コンピュータが文章や音声をある言語から別の言語へ自動で訳す技術。規則ベース、統計翻訳を経て、現在はニューラルネットワークを使う方式が主流となっている。NICTは日英の話し言葉で、意味が通じる率が9割前後に達したと報告している。
詳細
概要
機械翻訳は、ある言語の文章や話し言葉を、人手を介さずに別の言語へ訳す技術です。情報通信研究機構(NICT)は、方式の世代を次のように説明しています。第1世代は文法規則と辞書に基づくルールベース翻訳、第2世代は対訳コーパスを使う統計翻訳、第3世代は同じく対訳コーパスを使うニューラル機械翻訳です。
仕組み
ニューラル機械翻訳は、脳の神経回路を模したニューラルネットワーク(深層学習)に、大量の対訳データを学習させる方式です。NICTは2017年6月に、日英双方向の話し言葉を対象にニューラル機械翻訳を開発し、多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」に組み込んだと発表しました。防災、買物、タクシーなど複数の分野で、翻訳者が評価した「意味が通じる率」が9割前後に達したとしています。
一方、平均的には統計翻訳より精度が高いものの、関連する語の混同、表現の繰り返し、訳語の抜け落ちといったこの方式特有の誤訳があり、課題とされています。
位置づけ
VoiceTraは、音声を入力して別の言語に変換する旅行会話向けのアプリで、2017年時点で31言語に対応していました。NICTは、国の「グローバルコミュニケーション計画」が対象とする10言語(日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、ミャンマー語、スペイン語、フランス語)にニューラル機械翻訳を広げる方針を示していました。
スタートアップの取り組み
- noteは、2026年5月27日から記事の自動翻訳を全クリエイターに提供しています。日本語の記事を英語に自動翻訳する機能を有料記事にも広げ、韓国語も順次始めると発表しました(発表、2026年8月)。
- Mantraは、漫画を中心とした機械翻訳技術の研究開発を行い、漫画翻訳プラットフォーム「Mantra Engine」を提供しています。NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)のSTSフェーズの採択先として、「マンガ機械翻訳の高度化に向けた基盤技術の開発」が2025年4月に公表されました。
- オレンジは、AI翻訳を取り入れたマンガのAIローカライゼーションシステムを開発・提供し、電子マンガストア「emaqi」を展開しています。