数理最適化
Mathematical optimization
詳細
概要
数理最適化は、現場の制約条件を数理モデルに置き換え、その条件のもとで最良の計画や割り当てを求める手法です。JIJの発表では、設備、人員、時間、容量、順序など多数の条件を同時に考慮して最良の計画を決める問題として扱われています。製造、物流、交通、通信、エネルギーなどの産業分野で、複雑な計画・最適化の課題に使われています。
仕組み・要点
実務では、課題を数式で表す定式化(モデリング)、ソルバーによる求解、結果の検証と改善という流れになります。JIJのソフトウェア群「JijZept」は、課題の定式化から開発、実行、改善までを一貫して支援するもので、AIによるモデリング支援、開発環境、ソルバー、実行環境を含みます。
問題の規模や制約が大きくなると、最適な解を探す以前に、すべての制約を満たす「実行可能解」を見つけること自体が難しくなります。そのため実務では、理論上の最適性だけでなく、限られた計算時間内に意思決定に使える解を安定して得ることが重要になります。JIJの数理最適化ソルバー「JijZept Solver v4 beta」は、性質の異なる探索を解を共有しながら並列に実行し、生産計画、配送、スケジューリングで頻出する構造に特化した探索を追加したとしています。2026年8月5日から既存ユーザーと先行パートナー向けに提供されています。
量子コンピューティングとの関係
JIJは、量子コンピューティングを今後複雑化する課題に対応する次世代の計算基盤として位置づけています。産業で活用するには、業務課題を計算可能な形に定式化し、従来型と量子コンピュータを組み合わせて実運用につなぐソフトウェア基盤が必要だとし、この層に注力しています。組合せ最適化のオープンソース「OpenJij」や量子プログラミング言語「Qamomile」を公開しており、同社は現時点では数理最適化が実運用で価値を生んでいる段階で、量子は将来の計算資源として位置づけているとしています。
スタートアップの取り組み
- JIJ: 数理最適化ソルバー「JijZept Solver v4 beta」の提供を開始(発表、2026年8月)。グローバル・ブレインをリードインベスターとして総額約8.4億円を調達し、JijZept AIの高度化、エンタープライズ実装の拡大、ゲート型量子コンピュータ向けミドルウェアの開発、欧州・米国への展開に充てるとしています(発表、2026年8月)。
- Proxima Technology: モデル予測制御と機械学習を組み合わせた制御アルゴリズム「Smart MPC」で、産業のスマート化を支援。