薬歴

Medication history record

薬局が患者ごとに残す、服薬状況や指導内容などの記録(薬剤服用歴)。保険薬剤師は調剤時にこれを確認する。会話の録音から下書きを作るなど、作成の負担を減らすAIサービスが登場している。

詳細

概要

薬歴は、薬局が患者ごとに残す服薬状況や指導内容の記録で、正式には薬剤服用歴と呼ばれます。薬剤師は調剤のたびに過去の記録を確認し、薬の重複や飲み合わせ、服用の状況を踏まえて指導します。解こうとしている課題は、患者対応のたびに記録を残す作業が薬剤師の負担になっていることです。

制度上の位置づけ

「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」第8条第2項は、保険薬剤師が調剤を行うときに「患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない」と定めています。同規則は、調剤を行ったときの調剤録への記載(第10条)や、処方箋と調剤録の保存(第6条、完結の日から3年間)も定めています。

薬剤師法は、薬局開設者に調剤録の備え付けを求め(第28条)、薬剤師には調剤した薬剤の適正な使用のため、患者に必要な情報を提供し薬学的知見に基づく指導を行うことを求めています(第25条の2)。薬歴は、こうした確認と指導を支える記録として使われます。

仕組み・要点

薬歴は、患者との会話の内容を整理して残す記録です。多くの薬局では、主観的情報・客観的情報・評価・計画を分けて書くSOAP形式が使われています。会話の録音から薬歴の下書きを作るサービスでは、次の流れが一般的です。

  1. 薬剤師と患者の会話を録音する。
  2. 音声認識AIが文字にする。
  3. 生成AIがSOAP形式に要約する。
  4. 薬剤師が内容を確認して確定する。

スタートアップの取り組み

  • corte: 音声認識AIと生成AIで薬歴を自動作成するクラウドサービスを開発しています。プロトタイプでは会話の録音からSOAP形式の薬歴を作り、薬局の薬歴システムやレセコンとの互換性をうたっています。薬局での実証を進めていると発表しました(発表、2024年3月)。
  • Pleap: 会話からAIがカルテ原稿を自動生成する診療支援ツール「medimo」と、薬局向けの「medimo AI 薬歴」を提供しています。

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