ZEH(ゼッチ)
Net zero energy house (ZEH)
詳細
概要
ZEHは Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、読みは「ゼッチ」です。ZEHポータル(運営は一般社団法人環境共創イニシアチブ)では、断熱性能を高め高効率な設備を入れて消費エネルギーを減らす「省エネ」と、太陽光発電などで再生可能エネルギーを生み出す「創エネ」によって、年間のエネルギー収支を正味ゼロにすることを目指す住宅と位置づけています。住宅で使うエネルギーを減らしつつ自前でも作ることで、家庭部門のCO2排出と光熱費の双方を抑えることが狙いです。
仕組み・要点
ZEHは大きく三つの要素で成り立ちます。第一に、壁・床・天井・窓の断熱性能を高めて冷暖房の負荷を下げること。第二に、高効率のエアコン、給湯器、照明などの設備で消費量を減らすこと。第三に、太陽光発電などで必要なエネルギーを賄うことです。
性能の表示には建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)が使われます。たとえばリノベるの発表によれば、築48年の賃貸マンションを全46戸でZEH水準に改修した事例では、全住戸でBELSの「ZEH Oriented」を取得し、断熱性能はUA値0.50、一次エネルギー消費量は省エネ基準より28〜31%削減と試算されています。同発表は、これを2025年4月から新築住宅で義務化される基準と同等以上の省エネ性能としています。なお、ZEHにはほかにも区分があり、補助事業ごとに要件が異なるため、申請時は各事業の公募要領で確認する必要があります。
市場・制度での位置づけ
ZEHは国の補助事業の対象として広く知られており、ZEHポータルには戸建て、集合住宅、既存住宅の改修それぞれを対象とした補助事業が案内されています。自治体が独自に上乗せする例もあります。福岡県の「福岡未来づくり住宅」は、ZEH基準かつ断熱等性能等級6以上を超える性能の住宅に、PPA(太陽光発電設備を事業者が設置・保有し、需要家がその電力を購入する仕組み)で太陽光を導入した場合に補助金を交付する事業で、住宅1戸あたりの上限は等級6で60万円、等級7で140万円とされています。福岡県は2030年度の家庭部門の1世帯あたりCO2排出量を2013年度比で69%削減する目標を掲げています。
スタートアップの取り組み
リノベるは、奥村組、積水化学と協業し、築古の廃止社宅を賃貸マンションに再生して一棟全戸をZEH水準にしました(発表、2025年3月)。その後、入居者27世帯の回答をまとめた調査を公開しており、入居前にZEHを知らなかった世帯が70.4%、次の住まいでも省エネ性能の高い住まいを選びたい世帯が70.4%でした(発表、2026年9月)。
株式会社シェアリングエネルギーは、太陽光の第三者所有サービス「シェアでんき」を提供しています。福岡未来づくり住宅では、ZEH基準を超える住宅にシェアでんきを組み合わせる補助金事業として、新築分譲住宅4戸の着工が始まりました(発表、2024年3月)。