経口ワクチン
Oral vaccine
詳細
概要
経口ワクチンは、注射ではなく口から投与するワクチンです。接種に注射器や針が要らないため、集団接種を行う場面で使いやすい利点があります。感染症の予防に実用化されたものとして、経口ポリオワクチン(OPV)と経口コレラワクチンがあります。
仕組み・要点
WHOのポリオに関する解説は、ワクチンには経口ポリオワクチン(OPV)と不活化ポリオワクチン(IPV)の二つがあり、どちらも有効で安全だと説明しています。使うワクチンや組み合わせは、地域の疾患の状況と事業の必要性で決まります。
WHOのコレラに関する解説では、WHOが事前認定した経口コレラワクチンは3種類(Dukoral、Euvichol-Plus、Euvichol-S)です。Euvichol-PlusとEuvichol-Sは緩衝液が不要で、1歳以上の人に使え、3種類とも妊娠中でも安全とされています。成人の完全な防御には2回の接種が必要で、防御は少なくとも3年続きます。世界的なワクチン不足のため、2022年10月からは1回接種の方式のみが使われています。
ポリオについてWHOは、感染者の約200人に1人が不可逆的な麻痺になり、麻痺した人の5〜10%は呼吸の筋肉が動かなくなって死亡すると説明しています。野生株のポリオの症例は1988年以降99%以上減り、推定35万例(125か国以上)から、流行が続く国は2か国になりました。治療法はなく、ワクチンが唯一の防御です。
市場・制度・産業での位置づけ
経口コレラワクチンは、Gaviが支援する国際的な備蓄を通じた集団接種に使える唯一のワクチンです。WHOによると、世界の生産量は2022年の約3,000万回分から2025年に約8,000万回分へ増え、2026年2月には予防的な接種キャンペーン向けに2,000万回分が割り当てられました。
スタートアップの取り組み
KAICOは、NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業・DMPフェーズ)に「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の量産化実証」のテーマで採択されました。
イムノロックは神戸大学発の創薬企業で、ビフィズス菌の特性を利用した経口ワクチンのプラットフォームを開発しています。がん免疫療法ワクチン(B440)とCOVID-19予防ワクチン(BCOV332)を開発しています。