有機農業

Organic farming

有機農業は、化学肥料や化学農薬を原則使わず、環境への負荷をできるだけ減らして行う栽培方法です。日本では有機JASの基準に適合した農産物が認証され、国が取組面積の拡大目標を定めています。

詳細

概要

農林水産省は、有機農業を、化学肥料や化学農薬を原則使わず、可能な限り環境に配慮した栽培方法と説明しています。土壌環境や生物の多様性など、農業生態系を守ることにつながるとされています。

要件と制度

有機農産物は「有機農産物の日本農林規格」の基準に従って生産された農産物です。主な基準は次のとおりです。

  • 周辺から使用禁止資材が飛来し、または流入しないよう必要な措置を講じている
  • は種または植付け前2年以上、化学肥料や化学合成農薬を使用しない
  • 組換えDNA技術を利用しない

JAS法に基づき、登録認証機関が「有機JAS」に適合した生産が行われていることを検査し、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。

制度面では、2006年(平成18年)に有機農業推進法が制定され、翌年度に基本方針が策定されました。2021年(令和3年)5月には「みどりの食料システム戦略」が策定され、有機農業の取組面積拡大に向けたKPIが設定されています。2025年(令和7年)4月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」にも有機農業のKPIが明記され、2030年に取組面積を6.3万ha(2022年度は3.0万ha)、有機農業の産地づくりに取り組む市町村を250市町村(2024年度は137市町村)とする目標が示されています。

現状と課題

農林水産省によると、令和6年度の有機農業の取組面積は3.98万ヘクタールで、耕地面積に占める割合は0.9パーセントです。同省の資料では、有機へ移行した当初の農地では単収が低く不安定なこと、技術の体系化や指導体制が不十分なこと、流通ではロットが小さく流通コストがかさむことが課題として挙げられています。対策として、「オーガニックビレッジ」の横展開、有機農業のモデル区域の設定、環境保全型農業直接支払制度による移行期の重点支援などが示されています。

スタートアップの取り組み

株式会社NEWGREENは、水田の除草ロボット「アイガモロボ」を開発しています。同社の発表では、アイガモロボは2023年に井関農機から発売され、全国の有機農業の現場で使われており、2024年9月の第11回ロボット大賞で農林水産大臣賞を受賞しました。有機栽培で水田の草を抑える役割を担い、本来はアイガモ(合鴨)農法の代わりを果たす機器です。2025年3月から27.5万円(税込)で販売されました(発表、2024年12月)。また、国産有機米を100%使用したライスパフ「とろける」シリーズを展開しています(発表、2026年9月)。

トクイテンは、AIとロボットで有機農業の自動化を進める企業で、有機農業により化学肥料の使用を減らし、気候変動対策につなげる考えを示しています。水ing株式会社とエリアオーナー契約を結び、同社の農業参入に向けた実証(PoC)を愛知県知多市の農場で2025年1月に開始しました(発表、2025年1月)。

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