ライセンスアウト

Out-licensing

自社が持つ医薬品候補や技術の開発・販売などの権利を、他社に許諾して契約一時金やマイルストーンなどの対価を受け取る契約。創薬ベンチャーでは、製薬企業への導出が事業の出口の一つになる。

詳細

概要

ライセンスアウトは、自社が持つ医薬品候補(化合物、抗体など)や基盤技術について、他社に開発や販売などの権利を許諾し、その対価を受け取る契約です。「導出」とも呼ばれます。創薬は基礎研究から治験、承認まで長い工程と資金が必要で、小さな企業がすべてを自社で進めるのは難しいため、途中の段階で製薬企業に権利を渡す形がよく取られます。

日本医療研究開発機構(AMED)が2026年2月に公開した「大学発創薬ベンチャースタートアップ・ガイド」の説明資料でも、創薬ベンチャーの出口として「企業導出、新薬創出」が示されています。基礎研究の成果だけでは新薬候補に届かず、出口を見据えたデータの取得や知財の出願戦略が必要だと整理されています。

仕組み

対価の形は契約ごとに異なります。ルクサナバイオテクが武田薬品工業と結んだ契約の発表では、次の三つが挙げられています。

  • 契約一時金: 契約時に支払われる。金額は非公開
  • マイルストーンフィー: 標的遺伝子ごとに設定され、開発の節目の達成で支払われる。一時金と合わせた総額は最大約100億円
  • ロイヤリティ: 開発・上市された製品の正味売上高に応じて支払われる

許諾の範囲も契約で決まります。同契約は、神経疾患領域の複数の標的遺伝子を対象にした、全世界での独占的な実施権です。標的遺伝子や料率などは公表されていません。

産業での位置づけ

AMEDの資料は、研究者が設立する創薬ベンチャーに残る課題として、大学からベンチャーへの知財ライセンスの条件がベンチャーの実情に合っていないこと、ベンチャーの出口や製品の上市までを見据えた知財戦略が立てられていないことを挙げています。ライセンスアウトの前提となる権利関係の整理が、創薬エコシステムの課題として扱われています。

スタートアップの取り組み

ルクサナバイオテクは、大阪大学の研究から生まれた人工修飾核酸技術「ルクサナXNAs」を持つ創薬企業です。2018年12月に米国のAligos Therapeuticsへ技術を許諾し、同社が開発するB型肝炎ウイルス向けのアンチセンス核酸(ALG-020572)の臨床第1相試験開始に伴うマイルストーンを受け取ったと発表しました(発表、2021年12月)。続いて武田薬品工業との独占的ライセンス契約を締結しました(発表、2022年2月)。

リベロセラは、GPCRなどの膜タンパク質を標的にした抗体医薬やADCの創薬を行い、ライセンスアウトや共同研究を展開しています(2018年設立)。

一次情報