第1相臨床試験(治験)

Phase 1 clinical trial

動物での試験を経て、治験薬を初めて人に投与する段階の治験。主に安全性と有効な投与量を調べ、第II相以降で使う投与量や投与方法を決める役割を持つ。がんの治験では少量から始め、段階的に量を増やす。

詳細

概要

治験は、医薬品などの承認申請に必要な臨床試験の成績を集めるために行う試験です。段階は大きく第I相、第II相、第III相に分かれ、第1相(第I相)はその最初の段階です。国立がん研究センターの説明では、動物試験の後に治験薬を人へ初めて投与する試験を「ファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験」と呼びます。

目的と進め方

第I相の目的は、安全性と有効な投与量を調べることです。第II相以降で使う投与量や投与方法を決める役割もあります。がんの治験では、少量から始めて段階的に量を増やす方法が説明されています。

対象は、治験薬を初めて投与される人です。国立がん研究センターの資料では、がんの治験では患者が対象になるとされています。Neusignal Therapeuticsの第I相企業治験のように、健康成人を対象に実施される例もあります。以降の段階では、第II相で病気の状態を特定した患者に対して有効性と安全性を確認し、第III相でより多くの患者を対象に標準治療との比較を行います。

制度上の手続き

日本では、治験依頼者(製薬企業等)や自ら治験を実施する医師・歯科医師が、治験計画を厚生労働大臣に届け出ます。実際の提出先は医薬品医療機器総合機構(PMDA)です。届出から30日が経過するまでは、治験を医療機関に依頼できません。医薬品のほか、医療機器と再生医療等製品の治験も届出の対象です。

スタートアップの取り組み

Neusignal Therapeuticsは、東北大学発のシーズをもとにアルツハイマー型認知症の治療薬を開発しています。開発品NTX-083について、日本人および白人の健康成人を対象とした第I相企業治験の最初の被験者への投与を2025年11月7日に開始しました(発表、2025年11月)。反復投与試験では安全性と忍容性の確認が終了したと発表しています(発表、2026年3月)。

メタジェンセラピューティクスは、潰瘍性大腸炎を対象とした経口FMT医薬品候補MGT-006の第1相臨床試験で、日本での治験薬初回投与を実施しました。日本人集団での安全性と有効性を評価します(発表、2026年8月)。

一次情報