予防医療
Preventive medicine
病気の発症や重症化を防ぐための医療・健康づくりの総称。生活習慣の改善による一次予防、検診などによる早期発見の二次予防、重症化防止の三次予防に分けて考えられる。
詳細
概要
予防医療は、病気になってから治療するのではなく、発症そのものや重症化を防ぐことを目的とする医療・健康づくりの考え方です。厚生労働省の資料では、2000年から推進された国民の健康づくり運動「健康日本21」が、疾病の早期発見や治療にとどまらず、生活習慣の改善などを通じて健康を増進し、疾病の発症を防ぐ「一次予防」に重点を置いた対策として位置づけられています。
要点
予防は一般に、段階に分けて整理されます。
- 一次予防:生活習慣の改善などで健康を増進し、病気の発症そのものを防ぐ。
- 二次予防:検診や健診などで病気を早期に見つけ、早期に治療する。
- 三次予防:発症後の重症化の防止や、社会復帰のための支援(リハビリテーション)。
健康日本21では、栄養・食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康、糖尿病などの生活習慣病について数値目標が設定されました。健康増進法に基づく基本方針の一部にも位置づけられています。第二次は2013年度(平成25年度)から開始され、地域や職域での生活習慣病の発症予防と重症化予防の取組が事例として紹介されています。
市場と事業での位置づけ
予防医療は公的な健診・保健指導にとどまらず、自費の人間ドックや画像検査、検査データとAIを組み合わせたサービスなど、民間のサービスにも広がっています。次のスタートアップの発表では、全身を調べる画像検査の一つであるDWIBS(ドゥイブス)法が共通して登場します。DWIBS法は高原太郎医師が2004年に考案した全身の画像検査法で、被ばくがなく、注射も不要であるとされています。
スタートアップの取り組み
- ウェルネスは、専属のパーソナルドクターが、オーダーメイドの人間ドックを計画し、検査データを統合して分析し、リスクの高い病気を予防するための助言を行う「戦略的予防医療モデル」を提供しています。経営者やエグゼクティブ層を中心に1000名以上が利用しているとしています。DWIBS法の考案者である高原太郎医師と連携し、高原医師が自ら画像診断を担当する特別プランも提供開始しています(発表、2026年3月)。
- AI Dockは、DWIBSを中核に、脳MRIや肺CTなどを組み合わせた全身スキャン、血液検査、生活データを統合し、AIがレポートを作成する予防医療サービスを提供しています。シードラウンドで約2.6億円を調達しました。検査は提携医療機関が実施し、AIの情報提供は診断・治療の代わりにはならないと注記されています(発表、2026年8月)。
- AI予防医学研究所は、東京大学発のスタートアップとして、健康診断のデータから認知症のリスクを推定するAI「AICOG」を開発しています。