陽子線治療
Proton therapy
水素の原子核である陽子を加速して腫瘍に照射する放射線治療。X線とは異なる物理特性があり、患者ごとの適応判断と緻密な運用が求められる。
詳細
概要
陽子線治療は、放射線治療で使われる放射線の種類のうち、陽子線を用いるものです。国立がん研究センターは、放射線治療ではX線、電子線、陽子線、重粒子線などが使われ、一般的な装置は高エネルギーX線を発生させるリニアックであると説明しています。陽子線治療は、腫瘍にエネルギーを集中させる先進的な治療法とされています(アイラトの発表)。
仕組み・要点
アイラトの発表では、陽子線の物理的特性を最大限に生かすには、患者ごとに適応を適切に判断することと、治療現場で非常に緻密な運用を行うことが必要だとされています。陽子線治療の装置は大規模で複雑なシステムであり、運用の精度を高める技術が求められます。
アイラトとシンガポール国立がんセンター(NCCS)の共同研究は、次の2つを柱としています。
- 治療適応の最適化支援:陽子線治療がより適した患者を見極める判定支援技術
- 治療現場での精度向上:AIで治療工程の精度を高める技術
NCCSの実臨床データを使ってモデルを構築し、成果は共同論文などで発表する計画です。
産業での位置づけ
NCCSは2023年に、シンガポールで唯一の公的陽子線治療施設であるゴー・チェン・リャン陽子線治療センターを開設しました。アイラトの共同研究契約は2026年3月26日付で、研究期間は2026年から2027年の2年間を予定しています。アイラトにとって陽子線治療のAIへの取り組みは初めてで、これまでは海外機関とX線治療(IMRT)分野でAI共同研究を行ってきたとしています。
スタートアップの取り組み
- アイラト株式会社は、NCCSと陽子線治療に関するAI要素技術の国際共同研究を開始しました。両者の交流は、2025年10月の仙台市の海外展開支援プログラムを活用したシンガポール訪問がきっかけだとしています(発表、2026年4月)。
- アイラトも同じ発表を行っています(発表、2026年4月)。