鉄筋結束ロボット
Rebar tying robot
鉄筋コンクリート工事で、交差する鉄筋を結束線でしばる作業を自動で行うロボット。鉄筋の上を自走し、市販の手持ち結束機を取り付けて作業する型式がある。人手不足と、中腰姿勢などの重労働の軽減が狙い。
詳細
概要
鉄筋結束ロボットは、鉄筋コンクリートの工事で、組み上げた鉄筋の交差部を結束線でしばる作業を、人に代わって行うロボットです。結束は単純で数の多い作業で、中腰の姿勢が続くため、建設現場の負担が大きい工程とされています。NTT西日本と建ロボテックの発表は、背景として少子高齢化による人手不足、猛暑や極寒、中腰姿勢による健康被害といった現場の課題を挙げています。
仕組み・要点
建ロボテックの「鉄筋結束トモロボ」は、鉄筋の上を自走し、市販の手持ち電動工具(結束機)を取り付けるだけで結束作業を自動化する型式です。主な要点は次のとおりです。
- 対応する鉄筋: 細径タイプは径10〜16mm(主に建築工事向け)、太径タイプは径16〜29mm(土木・インフラ工事向け)です。
- 改良の積み重ね: 2020年に X1 が発売され、2022年の X2 で通信ユニットの搭載や結束機の状態監視を加えました。2023年3月に発表した X3 は、作業スピードが X2 の約1.3倍になり、8時間稼働での結束数が8,000か所から10,400か所になるとしています。車輪部には可動式のガイドローラーとプレートを付け、鉄筋面の突起物で車輪が浮きにくくしました。
- 全自動化: 人が行っていたレーン(作業列)の切り替えを「オペロボ」が受け持つ全自動結束システム「DUO」があります。オペロボとトモロボの2台が通信で連携し、操作は専用のスマートフォンアプリで行います。
- 遠隔操作: カメラ映像を見ながら遠隔で操作でき、結束数、移動履歴、バッテリー残量などをクラウドに上げて共有します。
現場での実績
2023年5月に NTT西日本の建て替え現場(大阪市)で行った実証では、香川県の建ロボテック本社から遠隔操作し、現場技術者の鉄筋結束作業の約80%をロボットに置き換えました。内訳は、トモロボ自体による削減が約50%、遠隔操作による削減が約30%で、技術者の稼働は約20%に抑えられたとしています。建ロボテックによれば、建設未経験者の遠隔操作で実際の現場の結束を置き換えた例は日本初です。
スタートアップの取り組み
- 建ロボテック株式会社は、建設現場の省力化を担う協働型ロボット「トモロボ」を開発しています。X3 の開発(発表、2023年3月)、DUO の開発とかぶり30mm以上への対応(発表、2023年6月)、遠隔操作による置き換えの実証(発表、2023年6月)を発表しています。
- 建ロボテック(同社の別の掲載)は、香川県の企業で、自走型の「鉄筋結束トモロボ」の派遣サービスが2025年1月末時点で179件を超える現場実績があるとされています。