ロボットハンド
Robot hand
ロボットアームの先端に取り付け、物をつかむ・つまむ・はめ込むなどの作業を行う装置。センサーとAIで対象の状態を捉え、扱い方を変える研究開発が進む。
詳細
概要
ロボットハンドは、ロボットアームの先端に取り付けて物をつかみ、運び、組み付ける装置です。一般的なロボットは決められた軌道をなぞって動くため、対象物の位置が少しずれるとつかみ損ねたり、破損したりすることがあります。Thinkerの発表は、この課題に対して、対象の状態を感じ取りながら動作を調整するハンドを提案しています。
仕組み・要点
ロボットハンドの性能は、機構(指の構造)、センサー、制御ソフトウェアの組み合わせで決まります。Thinkerの発表では次のような構成が挙げられています。
- 触覚・力覚・視覚を統合するセンサーシステムと、人の教示をハンドが読み取って学習する仕組みを組み合わせた「Think Hand Proto-1」。協働ロボットに搭載して、ティッシュペーパー上のコインをつまむ、接触の強さを最大50g未満に抑えて約2秒で対象物を取り上げる、型へのはめ込みを行うといった動作を実演するとしています。
- 近接覚センサーを活用し、ばらつきのある対象物を現場で安定して扱う技術。食品向けでは、エッジAIとソフトマテリアルを組み合わせ、フィンガーが対象物の形状や柔らかさを捉えて個体差に合わせた扱いに変えるとしています。
市場・産業での位置づけ
発表によれば、対象は製造現場の部品のピッキング、移載、整列、包装前工程、組立などです。ワイヤーハーネスは自動車や家電、航空機、ロボットなど多くの製品で使われ、コネクターは柔軟な取り扱いと繊細な位置調整が必要なため、嵌め込みは人の手に頼らざるを得ず自動化が難しいとされてきました。食品も、形状や置かれ方が一定でなく、つぶれやすく滑りやすいため自動化が難しい分野として挙げられています。
スタートアップの取り組み
- 株式会社Thinkerは、近接触覚センサーとAIを備えたロボットハンドを開発しています。「Think Hand proto-2」は、既存の「手探りピッキング」を応用した「手探りコネクティング」により、ワイヤーハーネスの嵌合を自動化するものです(発表、2026年5月)。「Think Hand Proto-1」は2025国際ロボット展(iREX)で初公開されました(発表、2025年12月)。
- Thinkerは、FOOMA JAPAN 2026で、既存の「Think Hand F」を土台に、不揃いで柔らかい食品を「やさしく扱う」ことをめざしたカスタムロボットハンドのデモ機を初公開しました(発表、2026年6月)。