特定臨床研究

Specified clinical research

臨床研究法で定められた臨床研究の区分。製造販売業者などから資金提供を受けて医薬品等を用いる研究や、未承認の医薬品等を用いる研究が対象となる。

詳細

概要

特定臨床研究は、臨床研究法(平成29年法律第16号)で定義された区分です。同法は、臨床研究の実施手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、資金等提供に関する情報の公表制度などを定め、臨床研究に対する国民の信頼を確保しつつ実施を推進することを目的としています。

定義と手続き

臨床研究は、医薬品等(医薬品、医療機器、再生医療等製品)を人に用いて、その有効性または安全性を明らかにする研究です。そのうち、次のいずれかに当てはまるものが特定臨床研究です。

  • 医薬品等の製造販売業者などから研究資金等の提供を受け、その業者が製造販売をしている、またはしようとしている医薬品等を用いるもの
  • 未承認の医薬品等を用いるもの、または承認内容と異なる用法等で医薬品等を用いるもの

特定臨床研究を実施する者は、研究ごとに実施計画を作成し、厚生労働大臣に提出する必要があります。計画には、研究の目的や内容、実施体制、補償・医療提供に関する事項、利益相反に関する事項、審査を担当する認定臨床研究審査委員会の名称などを記載します。提出にあたっては、その認定臨床研究審査委員会の意見を聴きます。委員会は、病院・診療所の開設者や医学医術に関する学術団体などが設置し、厚生労働大臣の認定を受けたものです。

位置づけ

未承認の医療機器やデジタル療法を試す研究では、承認申請に向けた有効性のデータを得る段階として特定臨床研究が使われています。以下のスタートアップの発表でも、その後の治験や医療機器承認を見据えた研究として位置づけられています。

スタートアップの取り組み

  • InnoJinは、VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器(未承認)の有効性を評価する多機関の特定臨床研究を進めています。研究デザインは多施設のランダム化比較(2群・非盲検)で、実施許可を2025年8月26日に得ており、2026年2月1日に東邦大学医療センター大森病院眼科で募集を開始しました。プロトコール論文は2026年1月21日付で『JMIR Research Protocols』に掲載されています(発表、2026年2月)。同社は2025年9月に、この研究のCRB承認を取得したことも発表しています(発表、2025年9月)。
  • BiPSEEは、標準治療で効果不十分な大うつ病性障害の患者を対象に、高知大学医学部附属病院との共同研究として、VRデジタル療法の医師主導の特定臨床研究(ランダム化比較試験)を実施しました。治療期間は8週間、被験者数は50、実施症例数は47です。同社は完了を報告し、治験開始の準備を進めていると発表しています(発表、2025年6月)。

一次情報