スポットワーク
Spot work
短時間・単発の就労を内容とする労働契約で働く形態。厚生労働省は、雇用仲介アプリを使うスポットワークについて、労働契約の成立時期や休業手当などの留意点を示している。
詳細
概要
厚生労働省の通達(2025年7月4日)は、短時間・単発の就労を内容とする労働契約の下で働くいわゆる「スポットワーク」のうち、雇用仲介を行う事業者が提供するサービス(雇用仲介アプリ)を利用するものを対象としています。労働者にとっては自分の都合に合わせて働けること、事業主にとっては一時的な人手不足に迅速に募集できることが利点とされ、雇用仲介アプリの登録者数や利用者数が増えています。
仕組み・要点
スポットワークでは、事業主が雇用仲介アプリに掲載した求人に労働者が応募し、面接などを経ずに短時間でマッチングするのが一般的です。事業主、労働者、仲介事業者の三者が関わり、働く人は求人ごとに雇用契約を結びます。通達は主に次の点を示しています。
- 労働契約の成立時期:成立をもって労働関係法令が適用されるため、労使双方で成立時期の認識を共有する。面接なしで先着順で決まる求人では、別途の合意がなければ、応募した時点で労使の合意があったものとして労働契約が成立すると一般的には考えられる。
- 休業手当:契約成立後に事業主の都合で丸1日の休業や早上がりとなった場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、所定支払日までに休業手当を支払う必要がある。
- 賃金と労働時間:実際の労働時間が予定と異なるとして修正の申請があった場合、予定の労働時間に基づき勤務した分の賃金は遅滞なく支払い、異なる時間は速やかに確認して確定させる。
背景として、事業主の指示で始業前に勤務したのに賃金が支払われないといった相談や申告が、労働局や労働基準監督署に一定数寄せられていることが挙げられています。厚生労働省は労働者向けと事業主向けのリーフレットを作成し、一般社団法人スポットワーク協会などに周知を依頼しました。
スタートアップの取り組み
- イチロウ:介護士オンラインマッチングサービス「イチロウ」を運営し、介護のスポットワークで高水準の報酬を実現したとして、2025年のパートナー報酬ランキングを発表した(発表、2026年3月)。
- シェアダイン:料理人向けのプラットフォーム「CHEFLINK」で、スポットワークの稼働実績に基づく正社員採用支援を本格的に始めた(発表、2026年3月)。
- タイミー:面接や履歴書なしで短時間の仕事と働き手をつなぐスポットワークアプリ「タイミー」を運営する。
- ケアリンク:介護・福祉分野に特化した単発バイトの仲介アプリ「ケアリンク」を運営する。
- Matchbox Technologies:企業が自社でスポットワークを運営できるプラットフォーム「matchbox」を提供する。