群制御

Swarm control

多数のロボットや機体を、全体の動きが協調するように制御する技術。無人水上機や自動倉庫などで使われ、学術的には各機が局所的なやり取りで動く分散型の研究が知られる。

詳細

概要

群制御は、多数のロボットや機体を1つの集団として扱い、全体として目的の動きをするように制御する技術です。無人水上機、倉庫内の搬送ロボット、ドローンなど、複数台を同時に動かす場面で使われます。

仕組み

学術的には「スウォームロボティクス」の分野で研究されています。ScholarpediaのDorigoらの解説は、スウォームロボティクスを、外部のインフラや中央集権的な制御に頼らずに動作するロボット群の設計の研究と定義しています。個々のロボットの局所的なやり取りと環境との相互作用から集団の振る舞いが生まれ、感知や通信は局所的で、全体の情報は持ちません。この性質により、一部の故障が全体の停止にならない耐故障性、台数を増やせる拡張性、柔軟性が期待されると述べています。想定される用途は、地雷除去、捜索救助、惑星や水中の探査、監視などです。

スウォームロボティクスは、群れ全体の知能を扱う「スウォームインテリジェンス」に由来し、「身体を持つスウォームインテリジェンス」とも言い換えられます。初めは生物学の知見を検証する目的が中心でしたが、近年は実際の課題を解く道具や方法を作る工学の分野へと重心が移っています。ロボット群は、通常は同じ種類のロボットで構成されますが、異なる種類を混ぜた例もあります。

一方、産業用の複数台制御では、複数のロボットを管理する仕組みで全体を調整する方式もあります。下の各社の発表の範囲では、それが分散型かどうかは確認できません。

産業での位置づけ

Scholarpediaの解説は、スウォームロボティクスが向く場面として、複数の作業を同時に進める必要があるとき、冗長性が高く単一の故障点がないことが望まれるとき、ロボットを中央で制御するための基盤を技術的に整えにくいときを挙げています。海上のように通信や基地局を整えにくい環境や、倉庫のように台数を増減したい環境は、この条件に重なる面があります。ただし、各社が実際にどの方式を採っているかは、各社の発表を確認する必要があります。

スタートアップの取り組み

Oceanic Constellationsは神奈川県鎌倉市の海洋スタートアップで、「最多のUSVを最速で社会実装する海洋群制御プラットフォーム」を掲げ、無人水上機(USV)の群制御プラットフォームを、ハードウェアとソフトウェアを統合して開発しています。

RapyutaRoboticsは、NEDOの研究開発型スタートアップ支援事業「Product Commercialization Alliance(PCA)」の2022年度の交付決定事業者で、助成事業の名称は「群制御機能を用いた低コストかつフレキシブルな自動倉庫システム」です。公式サイトでは、モジュール式の自動倉庫システム(ASRS)が複数台のロボットの制御と特許取得済みのピッキングステーションを備えるとし、2020年の東京都の助成金をマルチロボットAIとシミュレーションの研究開発に使ったとしています。

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