潰瘍性大腸炎
Ulcerative colitis (UC)
詳細
概要
潰瘍性大腸炎は、主として粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のびまん性非特異性炎症です。難病情報センターは、多くの患者が再燃と寛解を繰り返すことから、長期間の医学管理が必要だと説明しています。日本では指定難病(指定難病97)の一つです。
症状と原因
主な症状は血便、粘血便、下痢あるいは血性下痢で、病変の範囲と重症度によって程度が異なります。重症化すると水様性の下痢に出血が混じります。腹痛、発熱、食欲不振、体重減少、貧血が加わることもあり、関節炎、虹彩炎、膵炎、皮膚症状などの腸管外合併症を伴う場合があります。
原因はまだ分かっていません。遺伝的因子と環境因子が複雑に絡み合い、何らかの抗原が消化管の免疫担当細胞を介して腸管局所で過剰な免疫応答を起こし、発症と炎症の持続に関わっていると考えられています。
治療
軽症から中等症では5-ASA製剤が使われ、効果が不十分な場合や重症例ではステロイドで寛解を目指します。その後も維持療法として薬物療法を続けます。内科治療で改善しない場合や大腸がんを合併した場合は、手術が検討されます。症状を改善する治療法は確立しつつありますが、根治療法はないとされています。
患者数と位置づけ
難病情報センターによると、令和元年度の医療受給者証保持者数は126,603人です。長期経過例では大腸がんの合併があるため、経過観察も重要とされています。治療薬の開発では、薬剤の安全性や有効性を段階的に確かめる臨床試験が行われています。
スタートアップの取り組み
メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌叢移植(FMT)に基づく医薬品を開発する山形県鶴岡市の企業です。潰瘍性大腸炎を対象とした経口FMT医薬品候補MGT-006の第1相臨床試験で、日本での治験薬初回投与を2026年8月12日に実施しました(発表、2026年8月)。2026年9月には、シリーズBエクステンションラウンドのセカンドクローズでGLIN Impact Capitalから3億円を調達し、累計調達額は71億円を超えました。資金はMGT-006の臨床開発などに充てられます(発表、2026年9月)。
Link Therapeuticsは、潰瘍性大腸炎に関与する病原性自己抗体を標的とした医療機器と医薬品を開発する京都のスタートアップで、2022年に設立されました。