不正検知
Fraud detection
取引や申請、社内の通信データなどを分析し、不正の兆候を持つものを見つけ出す技術やサービス。AIでリスクを点数化して、確認すべき対象を絞り込む方式が使われる。経費精算ではCSVの取り込みから申請者ごとのリスク順位づけまでを自動化する。
詳細
概要
不正検知は、経費の申請、決済、社内のメールやチャットなどのデータから、不正の疑いがあるものを見つけ出す取り組みです。不正の多くは大量の正常なデータに紛れているため、人が全件を確認するのは難しく、機械的にリスクを算出して確認すべき対象を絞り込む方式が使われます。不正の早期発見と、見られているという抑止効果の両面が狙いです。
仕組みと要点
- データの取り込み: 経費精算ソフトから出力したCSVや、メール・チャットなどのコミュニケーションデータを取り込む。
- 分析: 重複申請や交通費の水増しのようなルールに近い不正に加え、個人・部署・期間を軸にした横断分析で、特定の個人や店舗での多頻度利用、社員間で比べた金額や頻度の異常を見つける。
- リスクの提示: 申請者ごと、あるいはメールごとにリスクスコアを算出し、順位づけして担当者が確認する対象を絞る。
- 説明性: AIがなぜそう判定したかを、根拠となる明細まで示す機能が、社内報告や監査での説明負担を減らす観点から重視される。
位置づけ
ChillStackの発表は、公認不正検査士協会(ACFE)の「Occupational Fraud 2024」を引用し、テクノロジーを使って不正を検知する組織は未導入の組織に比べて不正による損害額が約5割少なく、発見も早い傾向があると説明しています。これはACFEの報告書の内容の引用であり、同社独自の効果検証ではありません。
スタートアップの取り組み
- ChillStackは、不正経費自動検知クラウド「Stena Expense」を提供し、リスクランキング機能にAIの判定理由を示す「根拠可視化機能」を追加しました。判定の根拠となった経費明細を画面で確認できます(発表、2026年10月)。
- ナラリスは、メールやチャットなどの社内コミュニケーションのデータを分析して不正の兆候を検出する「NaLaLys」を開発しています。実際の不正行為をもとにした教師データで学習したAIと、不正調査の専門家が監修した分析手法で、メールごとの不正リスクを算出します(発表、2024年2月)。
- かっこは、不正検知サービスなどのSaaS型アルゴリズムを提供しています。
- TelaAxonは、金融機関向けの特殊詐欺検知などを行うAI SaaSを提供しています。
各社の機能や効果は、各社の発表に基づく記述で、精度や導入効果についての第三者検証は示されていません。