微細藻類

Microalgae

顕微鏡で見える大きさの藻類の総称。ユーグレナ(ミドリムシ)やナンノクロロプシスなどがあり、光合成でCO2を取り込みながら増え、油脂や食品、燃料などの原料になる。

詳細

概要

微細藻類は、単細胞または小さな群体で生きる藻類の総称です。光合成を行い、ユーグレナ(ミドリムシ)やナンノクロロプシスなどがあります。マツダ技報は、微細藻類を生産性が高く食料と競合しない点が利点と整理し、その油脂を原料にしたバイオ燃料をカーボンニュートラルに向けた液体燃料の有力候補としています。

仕組み・要点

微細藻類は光合成でCO2を取り込んで増え、種類によって油脂などを蓄積します。海産のナンノクロロプシスは、藻体乾燥重量の50%以上を油脂として蓄積できるとされています。実用化の課題は製造コストで、同資料では油脂生産効率の向上がコスト削減に効果的だと検討されています。マツダは産学連携で、屋内5Lスケールの培養で一般的な培養の約8倍の油脂生産効率を達成したと報告しています。

排ガスのCO2を培養に使う試みもあります。ガルデリアは、硫酸酸性温泉に生息する極限環境生物ガルディエリアを、三井金属鉱業の竹原製煉所のボイラー排ガスで直接培養する試験に成功したと発表しています(CO2濃度は大気の約200倍)。

産業での位置づけ

航空分野では、NEDOの「バイオジェット燃料生産技術開発事業」(2017〜2024年度)の下で、ユーグレナ由来の油脂と廃食油から作ったバイオジェット燃料が国際規格ASTM D7566 Annex6の適合試験に合格し、2021年6月4日に国土交通省航空局の飛行検査機で羽田空港から中部国際空港まで飛行しました。NEDOは2030年頃の商用化を目指しています。食品、貴金属回収、油脂など、用途は燃料以外にも広がっています。

スタートアップの取り組み

  • 株式会社ガルデリアは温泉微細藻類Galdieriaの貴金属吸着性を使った回収技術と食品開発を進め、排ガスを使った培養試験に成功しました(発表、2024年2月)。NEDO DTSUの採択を含め約5.5億円を調達しています(発表、2023年10月)。
  • 株式会社AlgaleXは泡盛粕など未利用の食品残渣から藻を育て、食材「うま藻」として提供し、製造方法で特許査定を受けました(発表、2023年1月)。「THE BLUEKEEPERS AWARD 2026」でLOCAL ENGAGEMENT賞も受賞しています(発表、2026年8月)。
  • ファイトリピッド・テクノロジーズはナンノクロロプシスから食用油脂やω3脂肪酸、燃料油脂を生産し、シードラウンドで2億2千万円を調達しました(発表、2025年6月)。
  • Atierraは微細藻類で持続可能な航空燃料(SAF)の原料油を作る技術を開発し、プレシードで6,000万円を調達しました(発表、2026年8月)。
  • ユーグレナはミドリムシ等の微細藻類の研究開発・生産・販売を行い、ヘルスケア製品やバイオ燃料などを展開しています。

一次情報